ガイアの夜明け 第321回

Posted on 7月 2nd, 2008 by SEEBRA.
Categories: etc, Sciety, TV.

2回続けてテレビネタです
(といっても2週間ぶりだろうが、という突っ込みは置いておいて・・)。


毎週火曜日20:00からテレビ東京で放送されている
ガイアの夜明け

7月1日放送の第321回のテーマは、

人手が足りない… ~揺れる外食チェーンに秘策は?~



外食業界最前線の人手不足が深刻である。若者のアルバイトやパート労働力を大きな戦力に活用して厳しいコスト競争を展開してきただけに打撃は大きい。本特集では背景となる外食業界の現状を探ってみる。
———-

この番組も結構好きで、毎回ではないがテーマに興味が湧いたときだけチェックしている。
今回のテーマにはその自分アンテナが反応し一応録画しておいたのだが、これがまた意外と良かった(ちなみに、テレビ東京はワールドビジネスサテライトなどをやっているだけあって、こうした実際のビジネスシーンや社会経済に関する視点は、バラエティ迎合の民放他局よりよっぽどいいと思う)。

今回の番組内容の詳細については番組サイトをご参照。


放映された内容からトピックだけ整理して抜き出すと、

【現状】
・飲食チェーンでのバイトは最近の若者に人気がなく、どこも人手不足

【事例】

午後、急に暇になったので、携帯サイトで今からすぐ(今日の数時間だけ)できるバイトを検索する大学生Aさん。
結果、「4時間後からできる3時間だけのバイト(居酒屋ホール係)」に決定。即採用となる。


→考察
便利な世の中。お互い面接に1日とかかけてられないニーズを補完しあう、なかなか効率的なシステムに感じた。信用度の議論もあるだろうが、ネットオークションなどと同様、こういうのはある程度適切なレベルで回るのだろう(≒性善説)。
しかし、Aさんの仕事ぶりは実際にかなり良かったと思うが、時給が手取り¥1,000だったのに少し驚き。飛び込み採用なのに結構いいんだな・・。
まあそれが市場価格(それだけ飲食は人手不足)ということか。


激安が売りの居酒屋チェーン「さくら水産」では、バイトの6割以上が外国人留学生。ただし、雇用条件は日本人の場合と同じで格差はつけていない。
更に現在は座席からのセルフオーダーシステム導入をテスト中。


→考察
今まで安いから外国人を採用していると思っていたのだが、そうではなかったことが驚き。そうであればその企業マインドには共感を覚える。
セルフオーダーシステムについては、狭義ではカラオケのリモコン、広義では通販やEコマース全般に通じると理解。このニーズ(商品情報を伝えて注文はセルフ)を徹底的に深堀りするってのはありだよなぁ・・といろいろと思考実験に発展。


急成長中の企画系レストランチェーン「ダイヤモンドダイニング」。各店舗ごとに決まったテーマがあり、メイドはもはやいうに及ばず、シンデレラやベルサイユ、不思議の国のアリスに竹取物語・・など多彩を極める。
バイト希望者は「楽しそうだから」という理由でやって来るし、客受けも今のところ総じて良い。


→考察
『100店舗100業態』というビジネスコンセプトは新鮮だった。ポートフォリオとして考えても強そうだと直感するので、投資家受けもよさそう。
客が飽きてきて個店の売りが伸び悩んだらさっさと改装して次の企画、という戦略をとるのだろうか。いずれにせよヘタな鉄砲でもよいので企画力は大事と再確認。


モスバーガーでは、若者だけでなくなんと70歳代の高齢者をホール係で採用。しかしこのお年寄りならでは気配りのきいた丁寧な接客が好評で、若い客から通称「モスジーバー」(モスのジィちゃんバァちゃん)と呼ばれ支持され始めている。


→考察
典型的な、眠っていた新たな付加価値の創造例。
win-winな関係は、その当人達が気持ちいいゆえ、周りで見ている方も気持ちがいい。


・・等々、
今回も色々なインスピレーションを得ることができました。テレ東に感謝。

9 comments.

noname

Comment on 7月 20th, 2008.

実際には裏方でもたくさんの外国人労働者の方はいます。
この方たちは確実に給料の差別は受けてます。

また、IT業界の中小企業で働く外国人の方々は、日本の大学をでるときに決めたIT企業に就職するなら、ITでしか就職できず、就職しなければ、日本にのこれないというルールをご存知ですか?

そしてその賃金の安さを狙って、多くの大手会社が彼らを新任給程度の安い賃金で働かせていることもは、どんなに能力があっても18万~20万程度です。当然昇給もありません。

それでも、彼らは実家に仕送りをし、妻を娶り、貯金をしています。しかも、アジアであることの差別をうけながらです。

転職を考えないのかと聞いたことがあります。

彼らの答えは「大手の企業でこの扱いでさらにいいところがあると思えない」そして「もし就職がきまらなかったら国に帰される」でした。

日本はまだまだ、グローバルではありません。
今一部の企業で試みが始まったようですが、学生よりも家庭をもった本気で働いている外国人の労働条件を是非見直していただきたいです。

彼らは高いお金をはらい、日本の大学で勉強しそして就職したんです。

あまりにひどいとおもいます。


noname

Comment on 7月 20th, 2008.

あまりに怒りをおぼえたので誤字脱字だらけでごめんなさい。


SEEBRA

Comment on 7月 20th, 2008.

>nonameさん
コメントありがとうございます☆
怒りが私に対するものなのか社会に対するものなのかがちょっと読み解けませんでしたが、文章の体裁などはブログ管理人である私の本文が一番ろくでもないですので、全く何も気にしないで下さい。


日本はまだまだグローバルでないというご意見、全く同意です。
ムラ社会からくる閉鎖的な感覚は私も大嫌いで、外国人は白人以外ならアジアに限らず全て第三国人扱いして蔑んでかかるし、日本語というユニークな言語による見えない障壁によって外圧から手厚く保護されているのに、それにも気づかず泣き言ばかり叫ぶ輩とか本当に嫌気がさします。きっとそう遠くないうちにそのツケを払わされるはめになるでしょうね。
ただ、労働についての考え方はちょっとnonameさんと違うかも知れません。

物の価格は(独占や情報の非対称性がない限り)基本的に市場が決定します。
労働力も例外ではなく、一物一価の法則が成り立つので、高いスキルはちゃんと高く売れるし、低いスキルはやはりそれなりです。毎月確実に一億円売れる営業マンや超絶プログラムを書けるエンジニアなどは、中卒だろうがどこの出身だろうが一流企業から引く手あまたでしょう。まあそれは極端だとしても、少なくとも自己努力によって道は切り拓けるということです。
ある職場が「月給30万だ」と言っておきながら実際は20万しか払わないのならそれは犯罪だし大変な問題ですが、事前にルールが明示されたうえで、それに自分が妥結してその職についているならまずは公平だと思います。
私が今いる(nonameさんもおられるのかも知れませんが)シンガポールなどはいい例ですが、高度なスキルのある外国人には政府からレターを出してでも永住を勧める反面、単純労働者には絶対にパーマネントビザを出しません。それが人道的にどうかという議論は別にして、そういったルールを事前にちゃんと明示したうえで、来るも来ないもあとは各自の自由なわけです。嫌なら来なければいい(他に行けばいい)。

それから、安さを「狙って」と言われますが、安くて良いものを求めるのは生産者にとっても消費者にとっても自然で正しい姿でしょう。nonameさんだってスーパーのバーゲンセールに行きますよね。雇用者側だって同じで、それがお互いの努力であり市場の原理です。
ある社員に対してスキル以上の賃金を払うことは、他の社員や株主などに対する背任行為になりますし、逆に社員側から見て、スキル以下の賃金しか支払ってもらえないのなら、妥当な賃金を払ってくれる他の会社に移るべきです。いつでも商品を一番高く買ってくれる市場を探して、そこへ売り込んでいくというのも商売の大事な努力ですので、状況が好転するのを待って嘆いているだけではそいうった努力を怠っていることになります。
そして、それでも「他にいいところがあると思えず転職できない」というのなら、前にも述べましたが『物の価値は市場が決める』ので、残念ながらそこがその人の市場価値ということになります。

nonameさんのお知り合いの方はおそらく自国で公的な奨学金を受けた方なのではないでしょうか。日本の大学に入る、日本の企業に就職するといった目的のもとに補助を受けたので、日本で働けなければ帰国という縛りを意識しているのではと思います。『日本の外国人留学生は全て大学で専攻した業種にしか就職できず、その道を外したら強制退国』などという統一ルールはないはずです。
お知り合いの方は既に大手の企業に勤められているようですが、もし納得がいかないのであればまずは外資系への転職を模索されてはどうでしょうか。多国籍型企業では国籍による差別もないし、実力主義で妥当な評価も得られると思います。

それから、「家族への仕送りや貯金」はどこの国の誰でもやっていることではないでしょうか。
また、「家庭のある人を手厚く」というのは、福利厚生面では考慮されていいと思いますが、労働条件の議論においては関係がなく、逆に言えば家庭なしを不当に冷遇することと同義なので、あまり同意できません。
加えて、「高いお金を払い日本の大学で勉強し頑張って就職した」というのは何に対する何の理由にもならないと考えます。

以上から、私はnonameさんのお話からは「あまりにひどい」という部分はあまり感じられませんでした(その方の現実をその場で見ていないのでこれ以上は何とも言えませんが)。


・・と、何か紋切り型の反論口調になってしまいましたが、何も腹を立てたりしてるわけでは全くないのですので、これからも感じたことは全て、感情的でもロジカルでも何でも結構ですので、どんどんコメントお願いします!
Σd(^^ )


noname

Comment on 7月 20th, 2008.

残念ながら私の友達は
>自国で公的な奨学金を受けた方なのではないか
確かにそうなのだと思います。

しかし、彼は貧しい国から来ているので、奨学金とは名ばかりで実際は、親戚中からお金を集めてきているのです。
逆に、留学という手を使わなければ、海外へ勉強しにいくこともできないのです。

ちなみに彼の国には大学が1つしかありません。

おそらく、日本の奨学金制度とは大きく感覚がことなるのでしょう。

私が怒りを覚えたのは、記事をみていて日本の偽善な感じを受けたことです。もちろん第一歩としてはすばらしい試みです。

でも現実はもっとひどいことを知ってほしいのです。

残念ながらバイト先でも安い賃金で、同じ仕事をしている人たちを見てきました。

しかし、いざ就職となると、バイトどころのお話ではないのです。

私の友達のように外国人であるために就職がきまらず、最終的に賃金の安さに我慢するといったケースや、どうしても決まらず、あきらめて帰国する人たちが多いのです。

市場原理といってしまえば、それまでです。
しかし、せっかく身につけた技術を自国では活かせない。

そして、彼がもうひとつ大手にとどまる理由があります。
SEEBRAさんが言うとおり、
シンガポールやアメリカの大手会社へ自己PRを送り、転職するためです。

そうして、日本での就業をあきらめ、優秀な人材は全て海外に流れていきます。
友達の一人はある有名企業から転職し、今、シリコンバレーで働いています。

日本の奨学金で勉強し、劣悪な条件で働いていれば自然そうなるのでしょう。

しかし、それができるのは本当に優秀な一握りそして、とても勇気のある一握りの人たちだと思うのです。

人はだれもが成功者ではありません。
ごく普通の人たちなのです。
職を失うことをおそれ、7年はたらいても正社員になれず
そして、賃金もあがらない。
それでも働いている。。。私は日本人として恥ずかしいです。

確かに市場原理なのでしょう。
仕方のないことなのでしょう。
しかし、だから日本はおかしいと思うのです。

海外から就職してきた人たちは、
人によるとは思いますが、立場をよく理解しているので
本当によく働きます。

その人たちが、同じ働きそれ以下の働きをしている人より
給与や待遇(正社員でない場合もあります)が低いことに
憤りを覚えるのです。

あと、
。『日本の外国人留学生は全て大学で専攻した業種にしか就職できず、その道を外したら強制退国』などという統一ルールはないはずです。

これはあります。

もしかしたら、これは各国の留学制度の違いなのかもしれませんが、私の友人の弟さんは就職が決まらず、国に帰ることになってしまいました。

日本は、本当に恵まれた国ですが、普通の人が永住するのは本当に難しい国なのだと思いました。

正直に言うと今の市場原理だっておかしいんですよね。
安くていいものを。
その為に第三国の国々の人を苦しめているのも、
日本などの先進国だったりします。

そのことを海外の特にヨーロッパの人に言われると
反論できない自分が本当に悔しいです。


SEEBRA

Comment on 7月 21st, 2008.

>nonameさん
非常によく考えられたコメントをいただきありがとうございます。そのお気持ちにとても感激しています。

しかしながら、やはりお話には同意できない部分が多いですので、また私の主張を述べてみることにします。

まず、最初にご理解していただきたいのは、
「世の中の事象は全て『相対的』である」、という点です。
同じお風呂に入っても、ある人は「熱い」と言い、ある人は「ぬるい」と言う。
プロ野球選手は高校球児からみればエリートで憧れの存在ですが、メジャーリーグの選手からみれば「そんなに野球がうまくない人」です。逆に野球未経験者からみれば高校球児は「異常に野球がうまい人」となります。
つまり、この世の全ての事象の評価はその観察者によってまちまちなのです。なので、「普通」「優秀」「貧しい」「ひどい」「安い」「我慢」「努力」「困難」・・、これらも全部相対的な評価であるといえます。この点はまず同意いただけるでしょうか。

それを踏まえてですが、
その彼は日本の大学に留学して、大手企業に就職もしているのに「ひどい」境遇だと言われていますが、これについては2つの視点から違和感を覚えます。
まず一つは、例えば日本各地のナイトクラブで働いている外国人女性達の前でも同じ発言ができるのだろうか、ということ。彼女らの労働環境も相当劣悪だと思いますし、懸命に本国への送金もしていると思いますが、そんな不遇は彼女達の努力が足りなかったからだ、と言うでしょうか。
また、彼の国には大学が一つしかないとのことですが、ではその国では「高校まで通うことができた人」の割合というのは全体の何%くらいなのでしょうか。きっと相当に少ない割合なのではないかと想像します。そして、高校まで通いきれなかった多くの人達は必ずしも努力が不足していた訳ではなく、中にはおそらく彼よりも努力していた人もいたことと思います。そんな人からはその彼はどう見えるでしょうか。
親戚からお金をかき集めたと言いますが、普通は親戚から「お金を貸してくれ」と言われる人の方が多いと思います。そんな中、彼は逆にお金を集めることができた。これは幸運な境遇とは言えないでしょうか。

「そいうことではなく、企業の搾取構造が問題なのだ」と言われるかも知れませんが、そこがもう一つの違和感です。
これは昨今の非正規雇用者や日雇い派遣禁止などの議論にも通じるのですが、その彼は、では今の会社がもしなかったとしたらどうなっていたのでしょうか。さくら水産のアルバイト留学生はさくら水産がなかったらどうなるのか、秋葉原通り魔事件の犯人は期間作業員の職がなかったらどうなっていたのか。私の考えでは「単により悪い環境に流れていくだけ」であると思います。派遣はバイトに、バイトは無職に、ということですね。違法性のあるナイトクラブなどはさすがにそれ自体がちょっと問題だとも思いますが、そんな環境もあると思えばなおさら「今の受け皿があってまずは良かった」と考えるべきではないでしょうか。その上で現状に不満があるのなら、いくらでも自己努力してステップアップしていけばいい。なにも拉致されて強制労働させられているわけではなく、自らの意思でそこにいるのですから。

それから、さくら水産の事例に偽善を感じる、とのことですがここも問題があります。
そもそもどこから何が偽善かということ自体が相対的な議論ですが、それ以前に我々の住む世界は偽善や欺瞞、矛盾や不条理などに満ち溢れていることは自明であり、そこに目を伏せて理想だけを叫ぶことは宗教じみていると思います。現実とは目を背けず、しっかりと向き合わなければいけません。
私も、nonameさんも、その彼も、偽善は多かれ少なかれ行っているはずです。例えばダルフールの現状を知って明日からすぐに飛行機で飛んで助けを差し伸べに行けるでしょうか。最低限の生活費だけを残して後の貯蓄や収入は全て寄付できるでしょうか。彼がかわいそうだからとnonameさんの今のお仕事を譲ってあげるでしょうか。そんな人は異常です。私達はみんな、どこかで善意と利己の落としどころをつけながら生活しているのです。第三国の人は第四国の人を苦しめているし、第四国の人は第五国の人を苦しめているでしょう。そもそも人間は他の生物を殺して食べないと生きて行くことができません。
私は自分のことを偽善的であり、真善的であり、悪意的な人間であると自覚しています。

市場原理は自然であり、基本的にはおかしくありません。工場労働者や原料生産者のことを手厚く考えることは悪いことではないですが、そのおかげでコンビニのおにぎりが1個1000円だったらnonameさんはハッピーでしょうか。そんな高いおにぎりは誰も買ってくれないので、その会社はいずれ倒産必至であり、そうすれば工場の雇用も原料の購入も失われます。それでもだめだというならあとはもう共産主義ということになりますが、しかし、例えそれでもそうして作った商品には国際競争力がないため海外では売れず、内需にのみ依存することとなり結局はハッピーには帰結しません。自由競争での切磋琢磨があるから、コンビニのおにぎりは100円そこそこで買え、しかも美味しいのです。テレビや車など他のもの何でも、アジアでも欧米でもどこでも同様です。
なにもさくら水産のお客だけでなく、nonameさんだって毎日の生活のなかでそんな資本主義の恩恵をふんだんに享受しているはずです。現代社会で日々生活していながらそれを無視してしまったら、それこそが何より大きな「偽善」ではないでしょうか。


(長くなったので一度切りますね)


noname

Comment on 7月 21st, 2008.

SEEBRAさんへ

まずは見ず知らずの私のつたない意見にきちんとしたお答えをいただけたことをお礼申し上げます。

確かに全ては相対的なものだと思います。
SEEBRAさんの言うように
相対的にみて、彼は受け皿があっただけ幸せなのでしょう。
そして、彼のように日本に来てべんきょうできただけでも幸せなことなのでしょう。

しかし、私はいつもこういうことに出会うたびに頭にくるのです。
私も少なからずアジア人でしかも日本人であることで、恩恵を受けてきました。

しかし、自分の友達が同じことをしようとすると誹謗される様子を見るにつけ、恵まれた環境にある自分と比較し泣き出したい気持ちになるのです。

でも、SEEBRAさんと話をしていてひとつだけ気がつきました。
私は、私の幸運をもっと感謝しなければいけないと。

私も偽善者のひとりである以上、彼らのためにできることは恵まれまれていることを自覚し、常に感謝することを忘れないようにしなければいけないと思いました。

でも、頭で理解はしても、やっぱり相対的にみて彼が幸せでも彼自身の夢がかなうまで私は本当に安心できないのです。

これは感情なのでしょうがありません。

人間は不平等な生き物である。
でも、こころは自由な生き物である。

そんな感じですかね。

ありがとうございました。


SEEBRA

Comment on 7月 22nd, 2008.

(とりあえず続きです)


海外から来た人はよく働く、という点は概ね同意です。ただし、同様によく働く日本人も星の数ほどいるのも事実です。
今のご時勢、薄給で文字通り死ぬほど働いている(働かされている)日本人だって本当に多いですよ。連日それこそ朝から晩まで、そのうえ休日出勤までありで手取り20万なんてザラではないでしょうか。なので、あまり働いていない一部のなまくら正社員を比較対象にして羨ましがっても何の意味もありません。そんなことでは居酒屋で愚痴をこぼしている酔っ払いと同じです。

せっかく頑張って技術を身につけたのにあきらめて帰国するケースもある、とのことですが、市場で活かすことができない技術は残念ながら技術ではなくただの趣味です。
それに、日本人だって例えばフランスの大学に留学して卒業し、現地で就職することを考えた場合、現地語であるフランス語がビジネスレベルであり、その上で更に高い何かのスキルがなければかなり厳しい戦いになると思います。同じ能力で同じコストであれば基本的にはどうしてもローカルの方が採用されやすいでしょう。フランス語がビジネスレベルであってもそれは必要条件の一つでしかなく、その上で何か明らかなプラスアルファが必要です。それは諸外国どこでも一緒なので、就職を決めきれず諦めて帰国した人は一体何を求めて日本という外国に来ていたのかがちょっと疑問です。お金を貸してくれた人にとっても残念でしょうし、また、後に続こうとしている次の世代にとっても良くないお手本となってしまいます。

現在の彼が、海外への転職チャンスを虎視眈々と狙っているのか、あきらめてウジウジと飼い殺しに甘んじているのか、どちらなのかはコメントからは読み解けなかったのですが、いずれにせよリスク(自己努力や転職活動)を取らずにリターン(より良い労働条件)を得ることはできません。そういった点では、シリコンバレーで働かれている別なご友人は非常に良きロールモデルになると思います。ただし、その方に聞けばおそらく分かると思いますが、日本で通用しなかった人は基本的に海外ではもっと通用しません。何といってもかの地では「内戦で自国を追われて亡命してきた人」なんていうのも沢山いますし、日本の生温い競争とは訳が違います。そしてこれはアメリカに限らず、シンガポール、香港、インド、ドバイ、ロンドン・・等どこでも同じだと思います。世界市場はパイが大きい代わりに、ライバル達も世界中からやってくるわけですから。

しかし、いずれにしてもその彼を、『ひと握りの人が持つ優秀さも勇気もないごく普通の人』、と定義するのは随分と失礼なことではないでしょうか。
私にはその彼が「ごく普通の人」であるとは全く思えません。

私が信望する「相対的」という考え方は非常に柔軟で理にかなっています。私はこうも考えます。
彼は貧しい国の出身にもかかわらず、恵まれない環境で必死に勉強し、数少ない留学枠を射止め、親戚などあらゆる手を尽くして資金を集め、この日本という国にやって来た。つまり、すでに莫大なリスクを勇気をもって取り、自分や家族に対するリターンを求め果敢にチャレンジしてきた人物です。これはぬるま湯に浸かった日本人には想像を絶する勇気でしょう。それをなぜ我々が「ごく普通の人」と呼べるのでしょうか。「普通の人」はわざわざ海外にやって来たりはしないのです。

彼は旅の途中で怪物と遭遇しても、恐怖に負けず、歯を食いしばって体当たりし、その壁を自力で打ち破ってきた。だからこそ今ここにいる。
ただ、おそらく今の彼は7年という長い時間の中でちょっとだけ弱気になり、疲れてちょっとだけ思考の視野が狭くなっているだけだと思うのです。
nonameさんが彼の友人としてしてあげるべきことは、同情して一緒になって社会に憤ること(=後ろ向き思考)ではなく、現状の問題点を冷静に分析し、それを打破するための解決策を共に考え、それをサポートしてあげること(=前向き思考)であると思います。
彼の潜在能力はnonameさんが考えるより、まだもっと大きいはずです。彼は勇者としての資質を十分に持っている、素晴らしい男に違いありません。
それなのに、そんな彼を見て、「普通の人が虐げられている・・日本人として恥ずかしい・・」などと考えたなら、それ以前に「友人の本質を正しく評価し、的確で前向きな助言ができていない自分」を恥じるべきでしょう。


それから私がもう一つ大事だと思うことは、必ずしも『お金=幸せ』ではない、ということです。
そんな法則は絶対にありません。そんなことを言ったら発展途上国の人は皆、不幸せなダメ人間ということになってしまいます。また逆に、現在の一般的な日本人はあまり幸せではないように思います。毎朝1時間にも及ぶ過酷な通勤ラッシュ、サービス残業、休日出勤など、自分や家族ために自由に使える可処分時間はとても少なく、かといってものすごい高給というわけでもない。多くの人がストレスから思いやりを失くし、ワークライフバランスは最悪に近いレベルではないでしょうか。
価値観は人それぞれです。まして彼は日本より時間がゆっくりした国の出身なのですよね。なので「彼にとっての幸せとは何か」ということも併せて慎重に考える必要があると思います。場合によっては、より高給を求めてより厳しいビジネスの世界に向かわせることが最適解であるとは限らないでしょう。

自分にとっての幸せだってなかなか良く分からないのに、これはとても難しい作業ですよね。でもライフプラン、ライフデザインというのは誰であっても、ものすごく慎重に力を尽くして考えなければいけない、とても重要な共通課題だと思っています。


以上、大分長くなってしまいましたが、私は、nonameさんのような友人を持った勇敢な彼とそのご家族の幸せを心から信じ、そして祈っています。


noname

Comment on 7月 24th, 2008.

ありがとうございます。

SEEBRAさんは今戦っているんですね。
そういう気迫が感じられます。

ただ、ひとつだけ彼はとても優秀な人、
そして腐らず勇敢に戦っていますよ。
すごいなと思います。
だから、いつか認められることあと夢がかなうのを
信じてます。


ところで、ゆっくりした国の人間だからというのは、
ちょっと違うと思います。

留学してきた彼には、お話されているとおり、
親戚、両親の期待と全員の生活がかかってますから、
時間の価値観とお金の価値観に厳しい人です。
一緒に仕事をすると、その覚悟というか決心というか
すごく、強いなと思います。
貪欲です。


もちろんシリコンバレーにいった友人も、
同じくそうでした。
でも、勇気は私たちの倍以上あるかもしれません。

でも、私たちはやっぱり、
普通の人間です。
失敗しますし、上手くいかないことだってあります。
そして、その自己責任を負うのは日本も同じです。

でも、ある中国のおばさまが言ってました。

「本物で勝負すれば大丈夫。
嘘はだめだけど、誠意が通じる国だから。
日本は正直でいいよ。」

私も同感です。
だから、もっとグローバルになってほしいと願うばかりです。
せっかくきてくれた素敵な人たちが、
みんな海外に行ってしまうなんて悲しいじゃないですか?

相対的に見て日本はいい国です。
でも、主観的にみて日本は怖い国だなと思うこともあります。

そのたびに、私は海外からの友人に教えてもらうんです。
日本はいい国だって。

私はずっと励まし続けます。もちろんポジティブに。
それは本当は客観的に見て日本の損失なんですけど。

途中からなぜSEEBRAさんが怒って
いらっしゃるのかわかりませんでした。

海外で働くと決めた人間は確かに強いと思います。
でも、日本で働いている人たちも必死です。

だから、私にとって、社長だって、平社員だって、
海外から来た人だって、みんな普通の人です。
色んな立場で必死で働こうとしてるし、
色んな悩みや、色んなこと考えてます。
平等です。

上手く言えないんですが、
お互い見えない糸で
支えられて、支えて生きているんだと思います。
よく先輩がいっていたんですが、お互い様です。

自分だけが大変な思いをしているわけじゃないです。
見えないところで、自分以上に必死に働いている人を
がいるかもしれない。

だからこそ、不平等にであうと頭にくる。
人間だから、そのぐらいの正義感は持ってるほうがいいと思います。
でもだから、、自分もがんばろうって思うんじゃないでしょうか?

どんなに不平等でも、
心は自由だから、がんばってる人みるとがんばろうって
思える。自分だけじゃないんだからって思える。

すごく矛盾してるけど、私はそう思います。

SEEBRAさんは今戦っている最中なんでしょう。
でもみんな同じように戦ってます。

一生懸命働いている人がいて、この人たちのおかげで
私は、ご飯食べられているんだなと思って感動します。
そう思うとどんな目にあっても
やっぱりお互い様かあと思います。


でもできるだけ不平等なことは目にしたくない。
それは、そう思うのです。

SEEBRAさんがんばってください。
必死なのはみんな一緒です。
日本も海外もね。

では、ありがとうございました。


SEEBRA

Comment on 7月 25th, 2008.

>nonameさん
独り言的に補足ですが、

>>「普通の人」はわざわざ海外にやって来たりはしないのです。

これ、もちろん私の事は言ってませんからね(^^;)
純粋に彼の勇気を称えているのです。私は出張できているだけですから。
私は凡庸のかたまりのような人間です。

>途中からなぜSEEBRAさんが怒って
>いらっしゃるのかわかりませんでした。

全く怒ってませんよー、何も。最初にも書きましたが。
でも、そう感じられてしまったのなら私の落ち度ですね。
以後、書き方を注意することにします。。


結局、国という枠にとらわれ過ぎてもいけないんじゃないかなと思ってます。今や、国境線は点線で描かれている、なんて表現もありますし。
日本に住んでいるのではなく、世界に住んでいるんだと思えば人材流出だってないわけですからね。
日本村から、「ちょっとアメリカ村行ってくるわ」とか、「おーいシンガ村も結構いいところだぞー」なんて感じでいいんじゃないでしょうか。

みんな支えあって必死に生きているという点は心から同意します。
nonameさんはやさしい人ですね。

では、お互いマイペースで頑張りましょう!


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