シンガポールの好況を表すいくつかの指標(1)

Posted on 7月 23rd, 2008 by SEEBRA.
Categories: etc, Sciety.

ここ、シンガポールで生活している人なら誰でも少なからず、「経済が非常に好調である」ということを肌で実感しているだろう。
マリーナ地区の大規模開発に限らず、国中が活気に溢れていることを体感する機会は枚挙にいとまがない。



そこで、3回くらいに分けて公になっているいくつかの経済指標をピックアップし、管理人が自分なりに思うことをまとめてみる。


第1回目にまずメインで取り上げる指標はやはりこれから、
『国民一人あたりGDP(国内総生産)』。

すでにニュース等で報じられている通り、2007年度における国民一人あたりGDPでシンガポールはついに日本を抜いてアジアトップとなった。

▽ニュースソース
シンガポールが日本を抜く 1人あたりGDP [NIKKEI NET]
「アジアで最も豊かな国」から転落した日本 [大前研一氏、NIKKEI BP]


◆ 国民一人あたりGDP(名目ベース)ランキング[2007,IMF]

順位  国名     数値($)
1 ルクセンブルグ  104,673
2 ノルウェー     83,922
3 カタール      72,849
4 アイスランド    63,830
5 アイルランド    59,924
・・・
11 アメリカ     45,845
12 イギリス     45,575
・・・
21 シンガポール  35,163
22 日本       34,312


日本は高度経済成長以降、長らくアジアでトップの座にあったが、とうとうシンガポールがそれを上回った。
もちろん為替の影響もあるし、元来この指標は都市型国家にとって有利なので、北海道から沖縄まで含めて勝負せざるを得ない日本とは単純に比較はできないが、とりあえず『今まで上だった順位が逆転された』、という事実は受け止めなければならない。
ちなみに、近年のGDP成長率はシンガポールが約7%、日本は約2%なのでこの差は今後も開く一方であると予想される。

日本はGDPではいまだ世界2位だが、国全体の人口も多いので一人あたりではこのようなランクとなる。

◆GDPと人口(カッコ内は順位)[2007] 

国名    GDP($)       人口          人口密度(※参考)
日本   約4兆3800億(2)  約1億2700万人(10)  約336/km2(32)
シンガポール 約1600億(44)  約460万人(113)  約6450/km2(4)


GDPには国内の外国人による生産も含まれるが国民としては含まれないので、小国の都市型国家で積極的に海外のリソースを取り込む「呼び込み型経済」であるシンガポールにとって、一人あたりGDPは最も得意とする経済指標の一つだろう。
なにせ労働力人口における外国人の割合は、世界的にみてシンガポールは異常なまでに飛びぬけて高く、産業別労働人口の比率も生産性の高い3次産業へ極端なまでにシフトさせている(結果的に、ともいえるが)。


◆労働力人口における外国人の割合[2005] 

国名      比率
シンガポール 27.9%
日本      1.0%
(以下参考)
韓国      1.3%
香港      6.4%
ドイツ      8.9%
フランス    6.0%
イギリス    3.8%


◆シンガポール国内の産業別労働人口比率

第1次産業 0.2%
第2次産業 23.6%
第3次産業 76.1%


とはいえ、世界地図においてシンガポールを正確に指し示せる人は少ない。なぜならシンガポールは世界地図上ではごく小さな『点』でしかないからだ(面積は香港より更に小さい)。そんな小さな国が、独立からわずか40数年で、世界経済の中でここまで存在感を発揮している事実は間違いなく興味深い事象である。
マレー人優遇政策を進めるマレーシアから追い出されるように半ば無理やり独立させられ、国土も資源もない(恐ろしいことに水すらない)。それでいて民族は多様で、加えて赤道直下(北緯1度)の熱帯気候。普通に考えれば自活していくのも精一杯といったイメージだろう。
地政学的に要衝にあったという意見もあるが、それはマレーシアもインドネシアも同じ。そんな隣国との差別化を図り、いち早く『知識集積型国家と緑豊かなガーデンシティの両立』という壮大なビジョンを打ち出し、強い志とリーダーシップによって国内外に大きな紛争もなく、短期間でここまでシンガポールを引き上げたリー・クアンユー(初代首相~在位25年。現顧問相)の手腕と功績はすさまじいものがある。管理人にとっても、世界で最も尊敬する政治家の一人だ。


ところで、前述の一人あたりGDPは基本となる「名目ベース(Nominal)」の数値であり、実質の「購買力平価ベース(PPP)」では、シンガポールは実は以前から日本を上回っており、すでにアメリカをも抜いて世界第5位となっている。

◆国民一人あたりGDP(購買力平価ベース)ランキング[2007,IMF]

順位  国名     数値($)
1 カタール      80,870
2 ルクセンブルグ  80,457
3 ノルウェー     53,037
4 ブルネイ      51,005
5 シンガポール   49,714
6 アメリカ      45,845
・・・
22 日本       33,577


ここで更にちょっと深堀りすると面白いのが、民間消費の割合。
一人あたりGDP(PPPベース)における家計消費の割合は、シンガポールはアメリカや日本と比べてまだかなり低いのである。

◆一人あたりGDPに占める一人あたり家計消費の割合
(いずれもPPPベース)[2005,世界銀行]

国名     GDP / 家計消費($)  比率
アメリカ    41,674 / 29,322   70.3%
シンガポール 41,479 / 12,636   30.4%
日本      30,290 / 15,342   50.6%


それだけお金がまだ消費ではなく投資に回っているということで、これも経済成長率を押し上げる要素となっていると想像できる。
ただし、その分国民の消費がつつましいのかというと、この国で生活していると肌感覚ではそんなことは全く感じられない。おそらく現在では、ワーキングプアなどが社会問題になりつつある日本の方が確実に悪いだろう。
以下、参考までにシンガポールにおけるその他の関連基礎データをいくつか挙げる。

◆平均賃金  S$3,773 (US$2,515)

◆週あたり実労働時間  46.5h

◆全体失業率   2.0%
[シンガポール統計局、全国賃金評議会]


次回以降は、また違ったデータからシンガポールの今後をもう少し考察してみたい。・・いつになるか分からないけど(汗


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ビストロ‘Kanrinin’

Posted on 7月 9th, 2008 by SEEBRA.
Categories: Food.

シンガポールのスーパーでは総じて野菜が安いような気がする。
中でもこちらに来てから、お気に入りなのがこれ。



『Baby Bitter Gourd』
つまり、チビゴーヤー(苦瓜)。



1袋にこれだけ入ってて1シンガドル(約¥80)って、多分安いと思う。
ゴーヤーは美味しいし、体にも良さそうなのでかなり好きです。

で、作るのがこれ。
管理人が自分で作れるスパゲッティ2種類の内の一つ、ペペロンチーノ。



本来、具はベーコン、しめじ、アスパラなんだけど、この様にアスパラをゴーヤーで代用しても美味しい。おそらくこれでコストは¥150くらいじゃないかと思います。

シンガはホーカーで食べても安いけど、自炊にもやさしい国ですね☆


ちなみに味の評価はマカンスートラ(以前のエントリー参照)風にいうとこんな感じです。




では、また次回 Σd(^^ )


7/16追記
完成形の写真が今ひとつだったので、後日また作った時のものに差し替えました。多少ましになったかな?


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EFL Challenge Trophy 予選リーグ第1節

Posted on 7月 7th, 2008 by SEEBRA.
Categories: Football.

昨日の日曜日、またサッカーの試合でした。
COSMO Leagueがオフシーズンに入ったため、今月から来月にかけて新たなカップ戦がスタート。

国際色豊かな8チームが集まって戦うこのトーナメント
EFL Challenge Trophy 2008』は、
4チームづつ2組に分かれて予選リーグを行い、それぞれ上位2チームが勝ち抜け。そこから準決勝、決勝と進む。管理人が所属するFC NIPPONは予選B組。昨日はその予選リーグの第1節、会場はホームAR-JAS。



そして、今日の相手はアイルランド人チームの『Hibernians FC』。



このHiberniansは来期からCOSMO Leagueに新規参入してくるチームなので、ここは最初に一発かましておきたいところ。
アイルランドというとサッカーがかなりうまそうだが、見たところ、足元の技術というよりもとにかく体がでかくてパワーがありそうな印象だ。

試合が始まると彼らの戦術はシンプルで、とにかく前線にいるやつが体がでかいため、いわゆる“クサビ”が非常に利く。
なのでボールを奪うとすぐにアーリークロスを入れてきて、そのクサビ役がはたくなり振り向くなりで崩そうとしてくる。前線のやつは一人ではなく全員でかいので、クロスは競り合ってもことごとく相手ボールとなってしまい、後ろから見ててもそのクサビの利き方は異様なほどだった。アイリッシュ恐るべし。
また、最終ラインとキーパーの間にボールを入れてくることもある(これもボディコンタクトでマイボールにしてしまう)ので、飛び出してセーブする場面も多かった。

試合結果は結局2-2の引き分け
どちらのチームも攻撃、守備ともにそれなりに仕事を果たした内容だったと思う。常に先行はされたが、2度追いつき、結果負けなかったのは非常に良かった。予選上位2チームに入るためにも、これならまずは悪くないスタートだろう。

管理人の帰国予定を考えると、おそらくこの大会がシンガでの最後になりそうなので、ここは一つ何としても結果が欲しい。。

また次も頑張ります。


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